法律よもやま話18   

弁護士 松 原 三 朗 クレアヒルだより 第24号(平成18年11月)

  

   

 今回は司法支援センターの話です。
 皆さんが体や心の病になると病院で治療を受けます。治療費の心配をなくす為、健康保険制度があります。経済的な病気になると、社会福祉制度で生活保護が受けられます。
社会生活の様々なトラブルに巻き込まれるという病気になると、司法支援センターの出番です。
つまり、司法支援センターは、社会生活上の病気に」「かかった人の病院です。
司法支援センターは、司法に関して国民に様々な支援をする独立行政法人です。法務省の管轄で、国の費用で運営されます。
司法支援センターは、愛称法テラスといいます。社会の隅々まで法の光を照らすという意味と、テラスのように支援センターに気軽に立ち寄ってもらいたいという意味を込めています。
司法支援センターの本部は東京にありますが、各都道府県の県庁所在地に支部があります。島根県でも松江市南田町に新築の立派な建物を丸々賃借して支部事業所にしています。専従の職員も4名います。
 国民にどんなサービスをするかといえば、先ずは振り分けです。皆さんが生活する中で何かのもめ事や心配事が生じたとします。どこに相談していいのかわからないことがあると思いますが、そんな時はなでもかんでも法テラスに相談して下さい。法テラスの担当職員が「あーそれは税金の問題です。税理士会で、何月何日、こういう相談を受け付けていますから、行かれたらどうですか」というアドバイスしてくれます。「あーそれは法律問題です。弁護士会で何月何日、こういう相談を受け付けています」とか、「市の悩みごと相談で毎週弁護士が来て無料相談に応じています」などの情報をくれます。単に情報をくれるだけでなく、「何月何日、どこどこの相談に申し込みましょうか」といって、希望すれば申し込みの手続きもしてくれます。あなたは、その日、その場所に行って、司法書士、税理士、弁護士などの専門家に相談することになります。 
 あなたが相談した結果、それが法律問題で、しかも裁判を起こすとか、逆に訴えられたとか、調停をするとか、破産の申立をするなどの様々な法的手段をとる必要が生じたとします。然し、あなたには弁護士を頼んだり、裁判費用を出したりする経済的な余裕がない場合、法テラスがそれら全ての費用を立て替えてくれて、弁護士もつけてくれます。
あなたは、月々払える範囲例えば毎月五千円ずつ法テラスに返します。生活保護を受けている、病気で収入がなくなったなど、返す余裕がない場合には返済を免除してもくれます。
このようにして安心して裁判など法的手続きをとることができますから、裁判などする莫大な費用がかかって一財産なくすという心配は全く要りません。
泣き寝入りを許さない社会を国の経済的な支援によって実現する司法改革の一つの柱が法テラスです。どうぞご利用下さい。もっとも、経済的に恵まれた人は対象になりません。例えば、独身者では月収が18万2,000円、3人家族では27万2,000円以下でないと利用できません。それを超える人は是非、当事務所にお越し下さい。