法律よもやま話6    

弁護士 松 原 三 朗  クレアヒルだより 第12号(平成14年10月)
     

   

 最近の刑事事件は恐ろしい内容のものが増えましたね。
 特に同居の男女が両親、姉夫婦、その子供2人などを殺害したとされる九州の事件など、どう考えてみても殺害の理由を思いつくことはできんません。然も同居の女の子に電気をあてて虐待し、5分以内に生爪をはげと迫り、女の子は電気をあてられるよりはましだとしてぺンチで自分の生爪をはいだというのですから、これが現代の日本で起こる事件かと耳を疑います。
 極悪人を死刑にすることについて皆さんはどう思われますか。
死刑に反対する人達の反対理由は、

ア、人の命は地球よりも重い。従って、如何なる理由があっても人の命を奪うことは許されない。

イ、万一無実であった場合、死刑にしてしまったらとり返しがつかない。

ウ、死刑制度は犯罪の抑止力とはならない。即ち、死刑にされるかも知れないと心配して犯罪を踏み止める者はすく ない。

エ、終身刑を導入すれば極悪犯人でも永久に社会から隔離することができる。

オ、生きてこそ自分の犯した罪の償いができる。
   などが主なものです。
 私は死刑制度に賛成です。
 刑罰の基本はどう理屈を並べてみても被害者の加害者に対する復讐です。
 若し私の娘が誘拐されて、強姦されて、虫けらのように殺されたとしたら、私はその犯人を決して許しません。然し江戸時代のように自分で仇討ちをしていたら、それこそ世の中の治安は乱れてしまいます。そこで現代国家では私に代わって国が犯人を裁いてくれる訳です。その時、国がもし犯人を8年位刑務所に入れて懲役を課し、その後釈放したとしたとしたら私は納得しません。どうしても犯人を死刑にしてもらいたいと切望します。勿論罪を犯した者が全て厳罰に処されるべきだとは思いません。前非を悔い、心から反省し、被害者に誠心誠意謝罪する人は是非立ち直ってもらい、早期に社会復帰すべきです。
 然し、更正の機会を与えられない位のひどい犯罪だけは別扱いすべきです。
 現在の日本で死刑になるのは大雑把にいって、

ア、 2人以上何の罪もない人を殺す。(ヤクザ同士のケンカより小さな子供を殺した方が罪が重い)

イ、 動機が利己的。(保険金目当てや逆恨みなど)

ウ、 殺人の方法が残虐であること。(強姦、焼き殺すなど)

エ、 計画的であること。(冷静に罪を犯せる)

    などが考慮されます。
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 死刑の執行は高等裁判所のある札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡の拘置所です。執行方法は絞首刑です。後手にしばられ、目隠しをされ、正座したところで首に縄をかけたとたん、正座していた座敷がバタンと外れ、地下へ落ちていきます。殆ど即死だそうです。
 皆さん、清く正しくつつましく生きましょう。