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・点心について

 

中国ではお菓子や間食、軽食の類を全て点心と言います。(点心とは中国語)
日本では、軽食・間食は「おやつ」のイメージで食事ではないという印象があります。
ところが中国の食生活においては単なる間食ではなく、吃点心(チディエンシン)といい、
一日の中で欠かす事の出来ない大切な食事の一つとなっています。

点心は小麦粉を使うものが多く、点心の歴史は中国の小麦食の歴史とも関係が深いです。
また、時間帯によって呼び名を変えることもあるようです。
朝食にあたる点心は「早点」(ツァオディエン)
午後三時前後のおやつが「午点」(ウーディエン)
夜食に当る点心は「晩点」(ワンディエン)

◎塩味の鹹点心(シェンディエンシン)
  鹹点心とは塩味の点心のことです。
  必ずしも塩味ばかりとは限らないが、つまり甘くない点心のことです。
  その代表格は日本でも馴染みの餃子、焼売、饅頭、春巻などで、茹でたり、蒸したり、
  揚げたりと調理法はいろいろですが、小麦の皮であんを包んだものが多いようです。


◎甘味の甜点心 (ティエンディエンシン)
  甜点心とは甘味の点心のことです。
  甘味といってもそれほど甘くはありません。
  その代表格は「豆沙包子」(トウシャーパオツ/あんまん)、
  芝麻球  (チーマチウ/ごまつき揚げ団子)、杏仁豆腐、月餅などで、
  プリンのような冷菓子もあって幅広い。

以上の二つに分ける他に「小食」(シャオシ)と呼ばれる小皿料理や
果物やナッツ類といった「果子」(グオツ)を加えて4種類に分類することもあります。
以上のように、点心の範囲は非常に広いし、地域によってもそれぞれ特徴があるものが
作られているようでとても一言では表せません。
「点心はこうでなければならない」という明確な定義があるわけでもなく、
点心と料理との境界線があいまいなところがあり、それが選ぶ楽しさであり、
その多彩なことこそが点心の魅力の一つでもあるようです。

そして、点心を作る人を「点心師」と呼びます。

・参考文献・
料理と食シリーズbT「餃子/飲茶料理」 旭屋出版