〜仏事のための精進献立〜
「精進料理について」

いわゆる生臭物を使わず、野菜・乾物・豆腐・海藻などを材料にした、元来が寺の料理
のことです。仏教の宗派によって、料理の傾向が違い、その中でも普茶料理といわれて
いるものは、昔、中国から渡って来た僧や、中国で修行して来た、日本の僧によって伝
えられたもので、純粋の中華料理の特徴を濃く打ち出しており、油でいためたり、葛あん
を、かけたりする調理法が多くみられます。

 
「料理のとり合わせ方」
汁物・煮物・蒸物・酢の物などをうまく組み合わせて、味にもそれぞれ変化をつけ、季節
感を盛ります。禅寺の献立では飯・汁のほか、木皿・平・ちょく・茶わん・小皿などといい
本膳は朱塗りの食器を用いるのが特徴です。家庭での仏事の献立では陶磁器を使っ
て差し支えありません。
 
■1.木皿
膳の左向こうにつける料理で献立の中心になるもの、3〜5種の盛り合わせが多くその
季節、季節で、ふき、生椎茸、かぼちゃ、ほうれん草、ごぼうなど適宣に取り合わします。
また秋なら栗、銀杏、にんじん、ごぼう、むかご、粒椎茸、きぬさやなどの吹き合わせも
風情があります。
■2.木皿
左の木皿に比べて右向こうの木皿には、いくぶん軽い料理の一種だけ盛ります。
椎茸とピーマンのてんぷら、茄子田楽、柿とりんごの白和えなど。
■3.平
煮物椀にあたるもので、実をたっぷり入れたわん盛です。生ゆば椎茸、半月揚げ、
飛竜頭に薄葛あんをかけて、おろししょうがをひとつまみおくなど。
■4.ちょく

アスパラガスのくるみあえ、ピーマンの落花生和え、洋野菜を使ったり、春雨ときゅうり、
なま揚げの酢の物、焼きあぶらあげのおろし和えなど、さっぱりした味を。

■5.二の汁

茶懐石の箸洗いにあたる、うす味な吸い物です。実は椎茸、ゆず、小揚げ、生椎茸、
くるみ豆腐、木の芽など。

■6.小皿
ほうれん草の胡麻和え、昆布揚、糸こんにゃくの胡麻炒めなど。
■7.小皿
胡麻豆腐、落花生豆腐、銀杏、ごぼうの炒め物など。
■8.茶わん
かぶら蒸し、寄せ豆腐のうす味あんかけなど。
■9.一の汁
白ご飯のときは味噌汁(里芋、わかめ、厚揚げ、焼豆腐など)かやくご飯の時は、清汁
吸物にする。
※参考画像
株式会社北原産業より抜粋


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