日本の牛乳の自給率は100%(2012年2月時点)。すなわち100%国産なんです!皆さんが飲んだ分だけ日本の経済に貢献していることになるんです♪
牛乳はたんぱく質、糖質、ミネラルなどをバランスよく含んでおり、スポーツで減少するそれらの成分の補給に優れています。特にスポーツ後のエネルギー回復にはできるだけ早く栄養を補充することが大切と言われています。手軽に飲める牛乳は運動後の疲労回復にピッタリなんです。
睡眠中は血液中のカルシウムが低くなりがちです。そのため、骨のカルシウムが溶け出して、血液中のカルシウム濃度を保とうとします。夜寝る前に牛乳を飲むことで血液中のカルシウム量を増やし、睡眠中の骨からのカルシウム流出を抑えることができます。
牛乳パックの上部の切欠き、これは種類別でいう「牛乳」にのみ付いています(注)。そのため目の不自由な方でも指でふれるだけで種類別「牛乳」と識別できます。そして、この切欠きが上部の端の方に付いているのは、その反対側が開け口であることを示すためです。
注)切欠きは必ずつけないといけないものではないので、商品によってはないものもあります。
牛乳のたんぱく質は約80%をカゼインが占めています。そのカゼインは消化されるときにカゼインホスホペプチドになります。このカゼインホスホペプチドには小腸からのカルシウムの吸収を促進する働きがあります。すなわち、牛乳のカルシウムの吸収率が高いのは、吸収を促進するカゼインホスホペプチドを同時に摂取しているからなのです。このため他の食品と牛乳をいっしょにとることで、その食品に含まれるカルシウムも効率的に摂取できることになります。
以前は加工乳や乳飲料にも「牛乳」という商品名が利用可能でした。しかし、規約が変更され、商品名に「牛乳」の文字が利用できるのは種類別「牛乳」のみになりました。そのため、加工乳や乳飲料の商品名には「牛乳」の文字は使えません。例えば、乳飲料にあたるコーヒー牛乳は「牛乳」という文字が使えないため、多くの商品は中身はコーヒー牛乳なのですが「コーヒー」のみの表記で販売しています。店頭に並んでいる商品で「コーヒー牛乳」とズバリ明記されているものは存在しないのです。
飛鳥・奈良時代にあたる645年、大化の改新のころ、百済からきた帰化人、智聡(ちそう)の子の善那(ぜんな)が、孝徳(こうとく)天皇に牛乳を献上したのが日本の牛乳の始まりといわれています(新撰姓氏録しんせんしょうじろくより)。
牛乳が一般に広く販売されたのは明治の文明開化の頃からです。当時は大きなブリキの輸送缶で牛乳を運び、ひしゃくで量って販売していました。その後、小型(一合=180ml)のブリキ缶入り牛乳→ガラスびん→テトラ(三角錐)型の紙パック→屋根型の紙容器へと変わっていきました。
給食での牛乳は1949年にユニセフからの寄贈により始まり、定番となりました。ただし、その当時はまだ脱脂粉乳という形での提供でした。その後脱脂粉乳と牛乳の混合乳の時代を経て、1970年頃に完全に牛乳になったと言われています。初期の頃はバケツで教室に運ばれ、しゃくしで1杯ずつアルミの容器に注がれていました。
日本では6月1日が「牛乳の日」となっています。これはFAO(国際連合食糧農業機関)が2001年に6月1日を「世界牛乳の日」とすることを提唱したことを受けて、制定されました。また、飛鳥時代、文武天皇がチーズの元祖と言われる「酥(そ)」の製造を命じた月が11月と言われています。このことから日本では11月11日が「チーズの日」となっています。
ヨーグルトは生のキウイ、パパイヤ、パイナップルなどと合わせると、混ぜてから30分くらいで苦みが出てきます。ただし、これはたんぱく質分解酵素の働きによるものなので、果物を加熱したり、缶詰めの果物を利用すると酵素の活性が失われているのでおいしく食べられます。ヨーグルトは乳酸発酵により牛乳にはない機能性が付加されています。ただ、ビタミンCや食物繊維は含まれていないのでフルーツとの組み合わせは栄養バランス的に見てもオススメです。
※苦みがでてくるので合わないとも考えられますが、調理方法によりおいしく食べることもできることから採点時はどちらを記入していても正解にしております。
牛も人間と同じ哺乳類ですから、仔牛を生んで初めて乳を出します。2歳半前後で母親となり、年に1回お産をします。1年のうち搾乳は300日程度です。その間に搾る乳の量は年間7000〜9000kg。なかには、1頭で年間2万kgも乳を出す、スーパーカウと呼ばれる牛もいます。牛乳1Lは1030gが基準とされていますので、計算すると、1日当たり、1Lの牛乳パック20〜30本分搾乳していることになります[{(7000÷300)×1000}÷1030=約22本、{(9000÷300)×1000}÷1030=約29本]。
牛乳も母乳もそれぞれの赤ちゃんのためのお乳です。牛は人より成長が早いので、成長速度に比例して必要となるミネラル(カルシウムやリンなど)が牛乳には多く含まれています。一方、人は脳の発達速度が速いのが特徴です。脳や神経の発育には糖質が分解されてできるガラクトースが欠かせないと言われています。そのため、母乳には糖質が多く含まれています。
牧場から一般家庭の消費者に届くところまで、新鮮さと安全なおいしさを守るために、牛乳は「乳等省令」で流通時の保存温度が定められています。特別な殺菌を施したもの※以外は10℃以下の冷蔵状態で消費者まで届きます。
※連続流動式の加熱殺菌機で殺菌した後、あらかじめ殺菌した容器包装に無菌的に充てんしたものであつて、厚生労働大臣が認めたものに関しては常温を超えない温度で保存されていればよいことになっています。
牛乳から抽出されるカゼインを圧縮加工するとラクトロイドと呼ばれるプラスチックになります。ラクトロイドは染色性がよく、色柄、ツヤに優れ、他の樹脂にはない独特の風合いがあり、強靭であり、弾性的に固く、切削性に優れているという特徴があります。そのため、ピアノの鍵盤や麻雀牌、印鑑などに活用されています。