中国留学館/留学生コラム「ジロウさんの独り言」

「ジロウさんの独り言・夏旅行記(天津―北京―内蒙古)(2004年09月18日/更新)

1.出発
列車の切符を手に入れるのは、本当に大変。出発9日前に買いに行ったのに、北京行・普通寝台(256元)は全部売切れ。結局、列車は諦めて、大連港から船で天津に向い、そこから北京入りすることに。

船の切符は、入手が比較的容易、出発2日前に2等切符(380元)を購入。7月20日、予定通り出発できました。大連港から天津新港までの13時間(夕方6時発・翌朝7時着)は、何もすることがないので、ひたすら旅行ガイドをチェック、あとは寝るだけ。  

2等室は、2人部屋でベッドが2つ、トイレ、シャワー完備、但し、綺麗ではありません。2人部屋にもかかわらず、乗客は私1人で、天津まで話し相手もなく、寂しい一人旅が始まりました。

2.天津・狗不理の小包子
7月21日、朝7時、天津新港に到着。出口には客待ちのタクシー、バスが勢揃いで、引っ切り無しに話しかけられます。時間たっぷりの一人旅ですので、私はゆっくり歩いて港を離れ、路線バスにのりました。路線バスの始発駅が港のすぐ近くにあるので、あわててタクシーに乗る必要はありませんよ。  

天津新港から天津市街までは、かなり距離があります。まず新港近くのバス停から102番バスにのって<外灘>で下車、向い側に渡って<天津>行き小型バスにのれば、天津駅まで連れて行ってくれます。外灘は、綺麗なところだったので一泊しました。  

天津市街へは外灘からバスで1時間程度、けっして綺麗な街とは言えませんが、活気は十分。まずは中国語テキストに出ていた包子(パオツ)専門店"狗不理"を探してみると、天津駅のすぐ脇にありました。躊躇せず入り、小包子を一斤(500g)注文。これが大失敗、一人で一斤(500g)は無理。2人で一斤をお勧めします。

3.北京・天壇
7月22日、午前11時に北京到着。天津から北京までは、快速列車で約75分、席は指定席で30元、快適。駅について直ぐに<呼和浩特>行きの切符を購入。5日後の7月27日午後4時発・普通寝台(129元)が取れました。
 
先に宿を探すために、あちこち歩き回ったものの、空きは部屋なし。足も相当疲れてきたので、しばし休憩。  

そのとき前方から女性が「部屋を探しているの?」と声を掛けてくれたので、3星ホテルで空き部屋があるかどうか尋ねると、2星ならあると返答があった。場所は<天壇>の近くだというので、すぐにOK。  

"祈年飯店"というホテルで、天壇の真ん前だ。但し、一泊256元、高いと思ったので、とりあえず一泊だけにして、明日、別のホテルを探すことにした。まずは、天壇見学へ。  

天壇の入場券は{大人15元、学生8元}、学生証と8元を出すと、係員が私の顔を見て、笑いながら「あなたは、学生じゃない、大人料金よ」と言って15元を要求された。

さっと見ただけなので、天壇に対しては、強烈な印象はなく、観光客が少なかったせいか、静けさだけが記憶に残りました。

4.故宮
7月23日、朝9時にホテルをチェックアウト。本日の予定は、@故宮見学、A低料金ホテルの探索。  

地図を見ながらバスを乗り継ぎ、目的地の故宮へ到着。入場券は{大人60元、学生20元}、係員に学生証と20元を出すと、天壇のときとは打って変わって、学生料金で入場券を入手、40元得した気分。  

入場しようとしたとき、一人のお婆さんが、「ハルピンから来たのだけれど、娘が財布を失ってしまいお金がありません。助けてください。」と懇願してきました。お婆さんも、その娘さんも、身なりが綺麗だったので、とても物乞いには見えず、可愛そうに思って、50元あげてしまいました。騙されていると思ったのですが、断れませんでした。  

故宮の印象は、「外観はすごい」と言うのが正直な気持ち。そういえば、はとんどの宝物は台湾に持ち出されてしまっていると、以前に聞いたことがあります。  それにしても、「よくもまあ」こんなに広いものを造ったものだと、感心しながら見学しました。  

夕方、故宮を離れて、ホテル探しを開始。一泊150元を目安にあちこち探索、しかし、ほとんどが満室か、そうでなければかなり高い。さらに雨まで降り出し、まさに弱り目に祟り目とはこのこと。  

しかたがないので、今朝チェックアウトしたホテルへ電話をかけて、部屋を予約。ダメもとで、「四日間、600元、OK?」と言ってみたら、なんとOKの返事が返ってきた。  部屋が確保できれば遠出もできるので、その日は翌日の計画を練って、すぐ就寝。

5.頤和園・北京大学
7月24日、朝10時、ホテル近辺で北京西駅方面のバスに乗り、駅が見えてきたところで下車、そこから約1時間、遊覧バスにのって頤和園へ直行。ホテルからだと1時間半もかかったことになる。入場券は{大人50元、学生30元(但し、成人は含まない)}、ここまで丁寧に書いてくれれば、気持よく大人料金を出せる。余談だが、天壇では書いていない上に、私の顔を見て、しかも笑いながら大人料金を要求した、まったく無礼な奴等である。  

頤和園は、とにかく広い。休憩無しで5時間歩き続けて、なんとか全部見学。疲れてきたせいか、「こんな広いもの造る必要があるのか?」とブツブツ言いながら歩きまわり、夏の暑さとあいまって、過酷な遊園となりました。但し、園内の蘇州街は、とても風情あり、しばし疲れが癒されました。

夕方、頤和園を離れ、北京大学へ。西門から入ろうとすると、保安員が何か咎めるような言葉をかけてきたので、「我是**大学的学生」と答えると、すんなり入れてくれた。  

さすが中国随一の大学だけあって、建物に威厳と歴史の深みが感じられます。敷地はとても広くて、小さな湖までありました。時間を1時間程度しか取れなかったので、さっと見ただけで、"話の種"にする程度の見学で引きあげました。

6.万里の長城・わがままな米国娘
7月25日、万里の長城へ。もっとも有名な八達嶺長城に行ければ十分と思っていたのですが、直通バスの発着場所がわからず、結局、遊覧バスを利用。  

このバスは、万里の長城と明十三稜を回って、料金は50元、交通費のみで、入場券等は自己負担。満席になってからの発車なので、1時間程度待たされました。その間、ガイドのお姉さんと話していたら、一人のアメリカ人女性が、英語でガイドさんに話かけてきた。  

どうやら、料金を安くしろと言っているようで、「自分は長城へ行きたいだけで、明十三稜には行かないから、半額にして!」というのが彼女の理屈。  「直通バスで行け!」と言ってやりたかったが、場所を知らないし、英語も上手く話せないので、ただの野次馬として見学していると、一組の中国人男女が英語で説明して、なんとか納得したようだ。ガイドさん曰く、「外国人はイヤ!」 これは失礼な!私も外国人です。  

万里の長城は、居庸関長城、八達嶺長城の順で回ったのですが、それぞれの見学時間が90分しか取れず、結局、どちらも登りきれませんでした。たっぷり時間があっても、たぶん疲れて登りきれないので、おなじことですが。  明十三稜は、おもしろくなかったので、コメントなし。米国娘の言うとおり、万里の長城だけでいい。

7.王府井・北京ダック
7月26日、北京最終日。あいにくの雨だったが、主要な観光地は前日までに見学していたので、王府井を最後にしたのは妥当だった。ゆっくり出かけて、12時に到着。  
傘をさしたまま、王府井大街を3往復。でも、まだ2時だ。時間潰しに映画でも観るかと思って、某百貨店の五階へ上がり、上映中の映画を調べると、ちょうど金城武・劉徳華主演の"十埋面伏"が始まりそうだったので、すぐさま鑑賞。なにも北京まで来て映画を見る必要はないのだけれど、外は雨だから、しかたがない。  

映画まで観て時間を潰した目的は、北京ダックのお店が4時から開店するので、それまでのつなぎ。ちなみに北京ダックで有名なのは、"全聚徳"と"便宜坊"の2派で今回私が入ったのは、"全聚徳"王府井店。  

さて、どれほど美味しいのか興味津津で暖簾をくぐりました。さすがに団体客が多く、見たところ1人で来ているのは私だけで、少々心細かった。  

席に案内されてから、店員さんに、「一人で一羽は多すぎないか?」と尋ねると、「半羽にすれば」と勧めてくれた。味は、「甘くて油っこい」というのが私の正直な感想で、半羽でも十分に堪能しました。これで心置きなく北京を離れることができる。

8.内蒙古・大草原ツアー
7月27日、北京西駅から出発。普通寝台に乗るのは初めて、小綺麗な寝台だったのでひとまず安心。外国人が多いのかと思っていたのですが、結局、車内では欧米系の外国人には一人も出会いませんでした。  どこの国でも大きな"鼾"をかく人はいるようで、車内は動物園さながらの鼾合戦、結局一睡も出来ず。  

7月28日、午前4時、<呼和浩特>に到着。外はまだ暗く、駅前は客待ちのタクシーと、到着したばかりの客だけで、静かで寂しい雰囲気。  

しばらくして、旅行会社のガイドらしき人が、「日本人ですか?旅行ですか?」と日本語で声をかけてきた。すこし胡散くさく感じましたが、なにぶん不案内なので、このガイドに頼ることにしました。  

"大草原ツアー"のガイド料金は、車代(運転手付き)・蒙古パオでの休憩・食事を含めて760元。ようするにガイドと運転手を雇って、3人で草原へ旅行するようなもの。  このガイド、頼りない上に馴れ馴れしくて、まじめに仕事をしないタイプ。一抹の不安を感じながら、一路、大草原へ。  

大草原までの道中、たくさんの蒙古パオをみましたが、私たちのパオは、随分遠くにあったようで、呼和浩特から車で2時間もかかりました。1時間ほどパオの中で休憩して後、この仕事嫌いのガイドが、「騎馬をするか?」と聞くので、「する」というと、「オレの騎馬料金も出してくれるか?」と言う。頼りないくせに、金銭面だけはしっかりしている。  

ところが、騎馬の教え方が意外に上手で、すっかり見直していました。馬に乗って、ゆっくり大草原を散歩、「ああこれで内蒙古旅行の目的を達成」と思いきや、突然暴雨に遭遇。既に3時間あまり乗っていたので、パオからはかなり離れた場所まできており、激しい雨のため周囲が全く見えず、自分が今どこに居るのかさっぱり分からなくなり、急に寒さと不安が・・・・・  

しかし、このガイド様は、慌てることなく落ち着いて、障害物の回避と私への指示をしっかりやりながら、1時間後無事にパオまで送り届けてくれました。ずぶ濡れになりましたが、めったに経験できないことに遭遇した興奮で、気分は会心。  

パオで服を着替え、休憩した後、ガイドと運転手と私の3人で夕食。料理のメインはやはり羊肉。食べなれないせいか、ナイフが上手に使えず苦労していると、運転手が私のためにわざわざ肉を裂いてくれた。ああ美味い!

9.長距離バスで北京へ
7月29日、前日に大草原をすっかり満喫したものの、これ以外は見たいものも、行きたいところもなく、急に帰りたくなり、呼和浩特駅へ切符を買いに。しかし切符は8月3日まで無し。"それなら長距離バスで"と思い切符を買いに行くと、北京行きがまもなく出るからすぐ乗れとせかされて、あわてて乗車。  

車内には座席がなく、全てベッド。前列窓際のベッドに腰をおろし、出発を待つ。すぐに出ると言っておきながら、1時間も待たされた。うそつき!  

この「呼和浩特―北京」長距離バス、料金は100元で、スリル満点。内蒙古はいたる所で道が壊れ、橋も壊れており、そんなとき通れるところは只一つ"河の中"、そのため河が渋滞している。一方、バスが順調に走り出すと景色は、すべて大草原、これには正直飽きましたが、ひとつ気が付いたのは、北京へ近づくにつれて、山が徐々に遠くに見えるようになるということ。当りまえか?結局、北京に到着したのは、夜の10時。この日はバス停近くのホテルに宿泊。

10.天津・外灘
7月30日、天津へ。北京→天津→外灘、と長距離バスを乗り継いで午後4時に到着。中心街では、ちょうど京燕ビール祭りが催されており、とてもにぎやか。結局、この近くのホテルに8月1日まで宿泊することに。  

外灘には友人が2人おり、住まいもホテルのすぐ近くで、彼らはこのホテルが妙に気に入ったらしく、私が泊まっている部屋に、たくさん料理を運んできて、さんざん散らかして帰って行きました。

11.大連へ
8月1日、夕方7時、友人2人に見送られて乗船、天津新港から大連に向けて出発。帰りは三等室(10人部屋)、船室を見比べた後の正直な感想として、船室は四等でも十分です。船内で、夕食を済ませて、しばらく甲板へ出て海をみていましたが、あいにく天気も曇り空、星はまったく見えず、部屋に戻り退屈な夜を過ごしました。  

8月2日、朝8時、大連港到着。"無事帰還。やっぱり大連は、綺麗だ!"

12.旅の教訓
@列車の切符は無いと思え。
A船を使え。(4等OK、但し公共トイレに扉無し)  
Bホテルの料金は交渉次第、ダメもとで言ってみる。  
C可愛そうと思っても金はだすな。  
Dインスタント・カメラは現地で買うな、買ってから行け。  
Eケンタキーは意外に美味い。  
F北京観光は、地図を買って、公共バスを使え。  
G名所旧跡は広すぎて足が疲れる。全部見ようなんて思うな。  
H現金は少なめに。銀行のATMを使え。
以上

【前のコラム】  【次のコラム】  【中国留学館トップ】