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〈設計図書〉ができ、〈設計図書〉の確認ができたら、「その設計図書に基づく工事(施工)金額を示す見積書」が必要になる。なぜかと言えば、その見積書が工事の金額を決定するからである。
実際には工事の内容を決定するのは〈設計図書〉であり、何かの都合でその〈見積書〉が〈設計図書〉と違っていることもありうる。
その場合、どちらが優先するかということになる。だから、住宅の内容などは〈設計図書〉が優先することになる。
しかし、売手にとっても、買手にとっても、その住宅の総金額は一番大切なものであり、それを決定するのは、この〈見積書〉なのだから…。
具体的に説明するならば、例えば、その住宅の内壁が耐火ボードでビニルクロス張り仕上とすると、見積書は次の通りになる。
まず、耐火ボード(厚さ12mm)1枚500円
@全体で耗枚数153枚 500×153=76,500円
それを張る大工の日当が33,000円
一日に20枚張るから153÷20=7.65人
Aつまり一人一日として8日かかるので
33,000×8=264,000円
B釘金物一式=5,000円
Cビニルクロスが、1u2,000円
全体で250uだから 2,000×250=500,000円
Dビニルクロス貼り手間1uあたり1,500円だから、
1,500×250=375,000円。
したがって、@+A+B+C+D=1,220,500円。
Eそれらの会社経費が12.5%とすると152,500円。
この頃目総金額は1,373,000円になる。大体こういうことになる。
で、これらのそれぞれが、妥当であることを買手は確認できるであろうか?
@耐火ボード1枚450円で出来ないだろうか!全体で138放で充分ではないか!
A大エは日当30,000円一日22板張れるから 30,000×7==210,000円
B釘は4,500円で足りるだろう!
Cビニルクロスは1u1,800円で十分!
D貼り手間は1u1,350円。面積は225u
E会社経費は11.5%でやれるのではないか!
以上計算すると総金額1,098,660円になる。
各項目を一割下げたのであるが、約2割安い見積になる。そして、安いものは正直にし、高いものを膨らませることが多い。
どこで膨らませたか、ごまかしたのか、聞達ってしまったのか、買手が知ることが不可能である。
そして、これらと同じような項目が一つの見積青に約200余あるのである。
買手はこれらをまったく知らないで契約をするのだろうか。
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