エッセンシャルオイルの基礎知識 |
−エッセンシャルオイルの働き−
生理作用 香りはある意味で情報の伝達物質、あるいは他に行動を促すメッセンジャーともいえます。それぞれのエッセンシヤルオイルは鼻から脳下垂体へと伝えられ、様々な生理活性物質を介して自律神経系、内分泌系、免疫系の各システムにメッセージを送ります。 旅先で枕が変わると眠れないということがありますが、これはいつもと違うにおいで自律神経に不調和が起きた例です。また空腹時においしそうなにおいを感じると自然に唾液が出てくるのは香りが内分泌系に作用した結果です。 このように香りは私たちの生理に対してダイレクトに働きかけているのです。 心理作用 香りは脳の中で記憶を司る海馬というところに伝わります。ある種の香りに出合ったとき「懐かしい」と感じるのは過去に嗅いだにおいが脳にしっかり記憶されている証拠なのです。また、エッセンシヤルオイルの香りは私たちに「温かい」「冷たい」「乾いている」「湿っている」「拡がる」「縮む」など様々なイメージをもたらすことがあります。 杭菌作用 エッセンシャルオイルの持つ抗菌力は、香りを空気中に漂わせるだけでブドウ球菌やサルモネラ菌といった細菌や、白瘡菌やカンジダなどの真菌の発育を完全に阻止できるくらいにきわめて強力です。また抗生物質が効かないウイルス類に対しても抗ウイルス作用があるともいわれています。インフルエンザウイルスに対するユーカリなどがその好例です。 生体リズムの調整作用 国際線のスチュワーデスの聞では時差ボケ解消のためにラベンダーの力を借りることも知られていますが、人間の様々な身体機能、睡眠やホルモン分泌などは1日、1カ月、1年といった周期でリズムを刻んでおり、この機能が体内時計と呼ばれるものです。 この体内時計が脳下垂体の付近にあると考えられており、エッセンシャルオイルの香りがそこに及ぶことにより、乱れたリズムを正常に戻す働きをするものと推測されます。ストレスの避けられ尊い現代社会に生きる私たちは不眠やうつ病などのリズム障害に襲われやすく、この解消には香りが大いに役立ちます。 このほかにもエッセンシヤルオイルには抗酸化(老化防止)作用や免疫調整作用、薬理作用などがあり、これらがそれぞれ単独にではなく相乗的に働いていることが化学合成の医薬品との違いです |
−エッセンシャルオイルを使用する際の注意−
○エッセンシャルオイルは、植物の成分が凝縮されたものです。原液を直接肌に付けたり、飲んだりしてはいけません。 ○使用する際には、ほとんどの場合「キャリアオイル」「ベースオイル」などと呼ばれる希釈用のオイルで薄めて使います。キャリアオイルに対して、精油は0.5%〜1%が適当と言われています。 ○肌の弱い人は、使用する前にパッチテストを行います。二の腕の内側に、キャリアオイルで希釈した精油を1滴塗り、その上から絆創膏を貼って12時間置きます。もし、赤くなったりかゆみがあったりした場合は、その精油は肌には使用せず、ルームフレグランスなどとして使いましょう。 ○ポプリ用、香水用、ルームフレグランス用などの「オイル」として販売されている合成の香料と、エッセンシャルオイルは性質が全く違います。エッセンシャルオイルは、信頼の置ける店で求め、使用方法や注意に関しては、店員の方に聞くようにしましょう。 ○エッセンシャルオイルを使用していて、肌に合わなかったらすぐに使用を中止しましょう。 ○体質に合わないエッセンシャルオイルに対しては、身体が本能的に防御のサインを出します。効用が自分の目的に合っていたとしても、香りに嫌悪感や違和感を感じるエッセンシャルオイルは、使用しない方がよいでしょう。 〜使用の際に注意が必要なエッセンシャルオイルは、以下の通りです〜 ○妊娠中(特に妊娠初期)は、芳香を楽しむ以外の使用法は避けた方がよいもの ローズマリー・ラベンダー・ジャスミン・ローズ・サイプレス・シダーウッド・シナモン・カモミール・ジュニパーベリー・ゼラニウム・タイム・ヒソップ・マジョラム・ミルラ・レモンバーベナ・レモンバーム・ペパーミント・バジルなど ○肌に使用してから、すぐに紫外線に当たるとシミ等の原因になることがあるもの グレープフルーツ・ベルガモットオレンジ・アンゼリカ・オレンジ・プチグレン・マンダリンオレンジ・レモンなど ○少量でも作用が強いので、使用量を控え目にした方がよいもの ユーカリプタス・ジャスミン・アンゼリカ・イランイラン・インセンス・キンモクセイ・クラリセージ・サイプレス・シナモン・タジェティーズ・バニラ・ヒソップ・ヒヤシンス・フェンネル・リツェアクベバ・レモングラス・レモンバーム など ○敏感肌・アレルギー体質の方は、肌への使用を避けるか、パッチテストを行って から使った方がよいもの グレープフルーツ・エレミ・オレンジ・シソ・シトロネラ・シナモン・ゼラニウム・タジェティーズ・ティーツリー・パイン・ハチミツ・ヒノキ・フェンネル・マートル・リツェアクベバ・リンデン・レモン・レモングラス・レモンバーベナ・レモンバームなど ○血圧を上げる作用のあるもの(高血圧の方の使用は注意が必要) ユーカリプタス・ローズマリー・キンモクセイ・タイムなど ○血圧を下げる作用のあるもの(低血圧の方の使用は注意が必要) ラベンダー・マジョラム ○その他 サンダルウッド…慢性的に鬱状態の時には大量に使用しないこと。 グアヤックウッド…集中力が必要なときには避けた方がよい。 クラリセージ…飲酒後の使用は避けること。 ジュニパーベリー…肝臓疾患のある方の使用は避けること。 |