エコアクション21とは
「エコアクション21認証・登録制度」は、広範な中小企業、学校、公共機関などが「環境への取組を効果的・効率的に行うシステムを構築・運用・維持し、環境への目標を持ち、行動し、結果を取りまとめ、評価し、公表する」方法として環境省が策定した「エコアクション21環境経営システム・環境活動レポートガイドライン2017年版」に基づく認証・登録制度です。
「エコアクション21」は、1996年に環境庁(現環境省)が策定し、その後何度か改定しながら、その普及を進めてきたものであり、2004年3月にはグリーン購入の進展などの動きを踏まえて、全面改定が行われました。
これまで多くの事業者が「エコアクション21」に取り組んできましたが、近年、事業者からは、特にサプライチェーン(商取引の関係)における環境の取り組みを推進するため、「エコアクション21」を第三者による認証・登録制度にして欲しいとの要望が高まるようになってきました。
現在、一般財団法人持続性推進機構(IPSuS)[ 2011年10月31日までは財団法人地球環境戦略研究機関持続性センター(IGES-CfS)]がガイドラインに沿って環境に取り組む事業者を認証・登録する「エコアクション21認証・登録制度」を実施しています。
エコアクション21の特徴
◆環境省が策定したエコアクション21
環境への取り組みを効果的・効率的に実施するため、国際規格のISO14001を参考としつつ、中小事業者等にも取り組みやすい環境経営システムとして環境省がガイドラインを策定しています。
◆必要な環境への取組を規定(PDCAサイクルで継続的改善を図る)
環境経緯における必須条件である、二酸化炭素排出量、廃棄物排出量、総排水量、化学物質使用量の把握・低減、グリーン購入や自らの製品・サービスについての目標設定を規定しています。
◆環境コミュニケーション(環境報告)にも取り組む
事業者が環境への取組状況等を公表する環境コミュニケーションは、社会のニーズであるとともに、自らの環境への取り組みを推進し、さらには社会からの信頼を得ていくために必要不可欠の要素となっています。そこで、環境活動レポートの作成と公表を必須の要素として規定しています。
エコアクション21に取り組むことのメリット
1.「環境経営」の「証(あかし)」になります。
EA21の認証・登録によって取引先からの要件・条件を満たすことが出来ます。
また、コンプライアンス重視の経営姿勢が積極的に打ち出せます。
2.経営コストが削減されます。
二酸化炭素排出量、廃棄物排出量、総排水量などの削減が要求事項であり、省エネ、分別、リサイクル、節水などを通じて、光熱費、ガソリン代、廃棄物処理委託費、上下水道料金、原材料費が削減されます。
3.経営の適正化が図れます。
PDCAサイクルの推進により、経営全体の効率化、コスト削減、生産性の向上がねらえます。
4.金融機関の優利な融資が受けられます。
エコアクション21の認証・登録を受けた企業に対する格付け融資の措置が増えています。
5.優良産廃処理業者認定制度の要件となります。
5つある基準のうちの一つ「環境配慮取組」としてエコアクション21等の認証を取得していることが要件となっています。
※優良産廃処理業者認定制度は、通常の許可基準よりも厳しい基準をクリアした優良な産廃処理業者を、都道府県・政令市が審査して認定する制度です。産業廃棄物処理業の許認可更新等の申請時の添付書類が一部省略されるほか、通常5年間の許可有効期間が7年間に延長され、事務負担軽減につながります。
6.環境への取り組みを総合的に進めることができます。
「環境経営システム」と「環境への取組」、「環境報告」の3要素がひとつに統合されており、比較的容易、かつ効率的に取り組むことができます。
7.取引先の拡大と信頼性が向上します。
環境活動レポートを作成し、外部に公表することにより、利害関係者(取引先や一般消費者等)に対しての信頼性が向上するとともに、新たな取引先、顧客を獲得することに繋がります。
また、大手企業が環境経営を取引先の条件とするサプライチェーンのグリーン化に対応することができます。
8.中小企業の経営にやさしいシステム構造。
エコアクション21は認証・登録のための「審査費用」「認証・登録料」が抑えられており、経営に負担をかけません。
また、エコアクション21は労力、コスト、文書作成量などが少なくて済みます。
エコアクション21の構成
エコアクション21は下記の4つのパートにより構成されています
1.環境への負荷の自己チェックの手引き
2.環境への取り組みの自己チェックの手引き
3.環境経営システムガイドライン
4.環境活動レポートガイドライン
この4つのパートにそって取り組むことにより、幅広い事業者が効率的にシステムを構築することができ、環境に関する取組の現状把握から、目的・目標の設定、管理、改善に至るまでの総合的な運用を図ることができます。