島根県民のみなさまへ −「島根原発・エネルギー問題県民連絡会」結成総会アピール−

私達の暮らしと産業活動にとって、エネルギーは欠かせません。今日の巨大化した産業社会を支えるエネルギー源は、次第に石油と原子力に移されてきました。しかし、石油など化石燃料は地球温暖化の原因になり、原発はスリーマイル島やチェルノブイリの大事故を起こしました。しかも、石油もウランも、数十年先には枯渇するエネルギー資源であることも背景にあって、省エネルギー化と、枯渇資源から風力、太陽光、地中熱やバイオマスなどの再生可能エネルギーへの転換が、世界的潮流となってきました。  

この世界的潮流を決定づけたのが、世界最悪の原発事故となった東京電力福島原発の過酷事故でした。政府の収束宣言にもかかわらず、事故原因は未だ分からず、放射能を出し続けています。福島原発の事故を境に、多くの国が省エネと、原発から再生可能エネルギーへの転換を加速しています。また、島根県民の多くが「島根原発はないほうがよい」と考えるようになっています。この県民の気持ちは、大切にされなければなりません。

山林面積の多い島根は、かつて薪炭エネルギーの一大産地でした。高度成長期、薪炭や石炭から石油へと切り替えた「エネルギー革命」と外材の輸入によって、県内の山林は就業と所得の場ではなくなり、農村の過疎化が進みました。エネルギー資源のあり方が、地域社会の盛衰を左右したのです。島根県は、森林・木質バイオマスをはじめ水力、風力や地中熱には恵まれています。それらの再生可能エネルギー源の利用は、地域の再生と活性化の力になるでしょう。

終わりが見え始めたウランなど枯渇性エネルギー源に執着するか、それとも地産地消の地域資源である再生可能エネルギー源の利用に舵を切るかは、「住民のエネルギー選択権」によって決められるべきものです。地域の資源とエネルギー源を地域住民の幸せのために活かすのが、本来の地方自治です。

私達は,ここに「島根原発・エネルギー問題県民連絡会」を結成します。この県民の連絡会を県民のみなさんとの対話の場として、「島根県エネルギー自立地域基本条例案」をつくり、この夏には、地方自治法に基づく直接請求を島根県知事に行う予定です。この条例制定によって、持続可能な循環型社会のシステムを構築し、新たな産業と雇用を創出させ,ゆたかな自立した地域社会の形成に努めます。 県民のみなさまのご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。

2013年2月11日 「島根原発・エネルギー問題県民連絡会」結成総会

http://shimanekenminene.blogspot.jp/2013/03/blog-post.htmlより転載

 

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