日本海の活きのいい厳選素材とカネタ独自の技術で加工した手作りの味 カネタ高橋商店
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イリコのお話 (2004/4/1)
 一般に、イリコと言えばカタクチイワシで濃厚なおだしが出ます、どんな料理にも使われますが地方によって好まれる大きさが違うようです。5〜6cmから10cm位まで時期によって(生き物ですので日に日に大きく成長していきます)大きさもさまざまですし、ウロコのついたギラギラ光るもの、ウロコのない白いものと、これも好まれる地方が違います。イワシ類のイリコで板前さんに聞くところによると、うまみ・コク・キレのあるおだし(何かどこかのCMできいたような!?)が摂れるのはウルメイワシが一番だとか。残念ながらウルメは我が家の主力商品である丸干しに加工しますので生産量はあまり多くありません。小鯛のイリコは、上品なおだしが摂れます。吸い物に最適です。鯛と言えば白身魚の代表ですが、意外と脂がある魚(煮魚・焼き魚・もちろん刺身とどんな料理でもおいしいのは、ほどよい脂があるからですが、丸干しの上乾でふれたとおり、カチカチに干しあげるイリコには脂ののった魚は不向きなのです。言い方を換えますと、生で食べるもしくは調理する鮮魚用、一夜干し用の魚の旬とイリコに用いる魚の旬は、全くの正反対といえます。)ですので、イリコに加工するのはかなり難しい魚です。その為に珍しいのではないでしょうか。アジのイリコは、三温糖と共にお芋を煮るのにいいようです。めったにありませんが、当地でかぼちゃの種という大きさの(一円玉くらい)の稚魚はお菓子として食べられます。北海道で食べたラーメンは、アジのおだしがきいていました。

漁業に思いを馳せて (2004/4/1)
  我が家は、文久元年(1861年)の初代から数えて私で6代目となりました。
当地は、広大な砂丘の広がるところで、約300年前までは製塩を業わいとしていました。江戸時代、佐陀川という宍道湖から日本海に抜ける運河が造られたことにより、砂丘が望む湾内の塩分濃度が低下したため製塩業が衰退しました。
 ところが、淡水と海水が混ざる汽水域となったことで小魚、特にいわし類が沿岸域で、獲れようになったのです。冬の季節風によって砂丘の望む海は砂の体積された遠浅の湾になっていました。
 そこで、地引網による沿岸漁業が盛んになりました。古文章によりますと―――昭和30年代までは、神社とお寺以外は全て庭先に、イリコ(煮干)を炊くため釜があったとのことです。当時は現在の核家族とは違い集落の戸数も少なかったようで、空き地・平地は天日干しの為のイリコ干し場だったと聞いています。近所のおじさんたちは、「学校帰り、遊び帰りに蒸籠(せいろう)を並べたイリコ干し場で茹でたてのイカ(通常茹でるときは、魚種の選別はしません。鮮度が一番ですので干しあがってから、イワシ・サバ・アジ・イカ等々そして大小のサイズに選別します。)を、つまみ食いするのがご馳走だった」と懐かしそうに話されます。私もかすかに、天日干しの風景を覚えています。昭和40年代機械乾燥機が開発されました。天候に左右されずに安定して生産がされるようになると、費用対効果の観点から干物・乾物の製造業者がだんだん減少し地域の産品から生産者の産業と変化しました。これには、30年後半から45年位までのいわしの不漁期と重なったことも一つの要因と考えられます(大阪万博当事はどん底で一匹も魚が獲れなかった)。ご承知の通りイワシ・アジ・サバの3種類は青物3品と言われたりして、日本の食卓には欠かせない魚ですが、資源量すなわち漁獲量が大変動するのです。アジは、高級魚と言われるようになって久しくなりました。普通食卓に上がるサバは、北洋・ノルウェー産になりました。
 イワシは、大別して3種類が食されます。マイワシは50年代、詳しく言いますと48年から63年まで(日本海と太平洋では前後が数年違います)大豊漁期でした。近代では、20年~25年頃と大正期・明治期の一時期に豊漁期がありました。ききんと言うと江戸時代の天保・享保の大ききんは日本史の時間に習った通りですが、このききんと不漁期が一致しているのです。異常気象による天候不順・干ばつ、洪水等ききんを引き起こす要因はありますが、イワシの不漁もききんの原因の一つなのです。
 おせち料理でおなじみの田作り(ごまめの他、当地では「からんま」といいます。おそらく甘辛旨煮の略なのでは?)ですが、数の子の子孫繁栄・黒豆のまめに暮らせます様に等の願いを込めた縁起物の一つ・五穀豊穣を祈った食物です。読んで字のごとく、田畑の肥料としていにしえに田作りは使用されました。従って肥料ですのでいわしを水洗いして、そのまま干した(素干しといいます)もので塩は使いません。現在においてもエルニーニョ現象が起きますとペルー沖のイワシ(カタクチイワシ)資源が減少し直接の漁獲量並びに捕食する海鳥が減少しこの海鳥の排泄物が堆積したものを肥料としますが、両方の減少により世界規模で農業生産に大きな影響がおきます。
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