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トップページ > 住まいに関する知識 > 「畳」に関する知識

しまね住まいの学校 住まいに関する知識
 
「畳」に関する知識
 
◆. ミニ畳知識1:畳の性能
◆. ミニ畳知識2:畳の構造
ミニ畳知識3:良い畳を選ぶために
ミニ畳知識4:畳を快適に末永くお使いいただくために
ミニ畳知識5:品質管理事業
畳の優れた特性
畳の上手なお手入れ方法

ミニ畳知識1:畳の性能
畳は、和室の床に用いられる伝統的な建築材料です。畳という床材料は、住文化の中で世界に例を見ない、日本独自に発達してきたもので、独自の文化を象徴するものとなっています。しかし、最近は住宅建築の洋風化がいっそう進み、和室の存在は希薄になりつつあります。また、一方では畳の良さというものも見直され、和室という住文化が日本の伝統を継続し、日本人の精神形成に欠かせないものとして注目されています。

最近の生活様式や住宅建築を見るとき、必ずしも伝統的な従来の畳だから性能をみたしているとは言い切れない状況が表れるようになってきました。例えば、気密性が高い建物工法や冷暖房設備、あるいは生活環境の変化する中で和室の床材料としての畳には居住環境上いろいろな問題も発生しています。そこで、改めて現代の生活、建築における畳という床材についてその性能をとらえ直してみることが必要になってきました。ここでは、畳の基本的な性能と試験結果による具体的な評価のいくつかをご紹介します。

(1)曲げ強さ
・畳は、その構成材料や畳床の厚さによって曲げ強さが変わります。硬さや剛性、あるいは弾力性などは、畳に要求される基本的な性能としてとらえられます。すなわち、畳のじょうぶさ(強さ)を意味しています。
(2)硬さ
・畳には、ある程度の弾力性と柔軟性のある硬さがあります。例えば、畳の上で転んで頭や身体を打ち付けた場合、ケガが少ないのは衝撃を吸収する柔軟性があるからです。
(3)圧縮強さ
・畳は、長年にわたる使用にも耐える性能でなければなりません。人の歩行によって繰り返し踏みつけられたり、家具などによって長期間押さえつけられたりもします。厚さ40pにも重ねた稲わらをわずか5pまで圧縮することによって生じる復元力が、稲わら畳床の弾力と耐久を生みます。
(4)吸放湿性
・稲わらや、イ草(畳表)は自然の資材です。素材の特性から僅かながら湿気を吸収し、また放湿する性質があります。しかし、吸湿する速度に比べ放湿する速度は遅く、蓄湿する傾向があります。したがって、放湿効果を上げるためにはこまめな換気が望まれるのです。
(5)断熱保温性
・稲わらには、熱を伝えにくい特徴があります。稲わらの空洞がその高い断熱性の秘密です。また、一度温かい状態になると熱を逃さない保温の役目もします。
(6)寸法安定性
・畳は、敷き込んだ後に若干の寸法変化が起こることがあります。それは、畳床の膨張や収縮によって起こることが考えられますが、極端な吸放湿がない限り、隙間が空いたり畳が持ち上がったりということはまずないといえます。
(7)床衝撃音遮断性
・稲わらのたくさんの空洞に含まれる空気が、音を吸い込む吸音効果を持ちます。また、一般的に遮音性は重量に比例するといわれますが、稲わらの畳床重量感がここでは長所になります。畳の種類にもよりますが、例えばコンクリートの床に敷いた場合の「衝撃音」はかなり改善されることがわかっています。
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ミニ畳知識2:畳の構造
畳は、畳床・畳表・畳縁(たたみへり)の3つの部分から構成されます。
畳は、表面にみえる畳表と芯の部分に当たる畳床を重ねたものに、畳縁を縫い付けて出来上がっています。

畳床は基本的にはわらを原料とし、そのわらを縦横に並べて糸締めをして作られます。以前はわらだけで作られていましたが、様々な社会環境の変化や新しい建築使用に対応するため、フォームポリスチレンやインシュレーションボードが使われるようになり、わら床の生産は減少傾向にあります。また、健康志向に対応して、備長炭が入った畳床も作られています。

畳表は主原料のイ草を横糸に、麻糸を縦糸としておられたものであり、イ草の種類によっていくつかの等級に分けられます。最近ではわらやイ草の代わりに化学製品やパルプを用いたものも商品化されています。

畳縁は、畳表と畳床を包み込むことによって畳を保護し、織り込まれた美しい色柄は部屋を引き立たせます。

◇普段はみえない畳床。使用する用途、建物の条件にあった素材を選択することが大切です。

(1)稲わら畳床
・昔ながらの天然素材。わらを何層にも重ね合わせたもので、わらの質、配列の仕方、均等に圧縮してあるかどうか、縫い目の間隔などにより品質が決まります。30s以上の稲わらを平らに約40pまで積み重ね、5pの厚さまで圧縮して作るため、畳ならではの耐久性、弾力性、吸放湿性、断熱・保温性、難燃性という点で一番優れています。たくさんのわらを使用し、配列を多くし、縫い目間隔が細かいものが高級品とされています。感触が良く、表替えを繰り替えししてもじょうぶで、天然素材であるため室内の湿度を調節する調湿機能は他の床材に比べ最も優れています。また、吸音効果、防音効果を備えています。高、中級クラスの畳表との組み合わせにより、その質感は一段と発揮されます。
(2)稲わらサンドイッチ畳床
・稲わらの間にポリスチレンフォームやインシュレーションボードなどをはさみ込んだもの。「稲わらの畳床」と「建材畳床」の中間品といえるでしょう。稲わら畳床の特色を持ちながら軽量で、保温性に優れています。「稲わら畳床」に比べて軽くダニが寄生しにくいのが特徴です。また感触が「稲わら畳床」によく似ています。
(3)建材畳床
・稲わらを一切使用しないでポリスチレンフォームや細かいチップを圧縮したインシュレーションボード板を組み合わせ縫い込んだものです。軽量で低コスト、主に高層のマンション、アパートなどに多く使用されています。断熱性に優れ軽く水を吸収しない工業製品なので品質が安定している、ダニが発生しにくいことなどが特徴です。

床材がコンクリートの場合、保温性、断熱性に優れた建材床を使用することでコンクリートへの伝わる熱エネルギーロスを少なくできます。
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ミニ畳知識3:良い畳を選ぶために
新築や増改築、畳替えなど畳を選ぶときの大切なポイント

ポイント1:現物見本を実際によく見て、触れて確かめる。
・新築や増改築によって新しい畳を入れるときは、まず現物見本をよく見て、畳全体に均一性のある硬さと適度の弾力性が感じられることや、表面に凹凸がないかなど確かめます。

ポイント2:畳床がどんな種類のものか確かめる。
・畳床には大きく分けて、「稲わら畳床」、「稲わらサンドイッチ畳床」、「建材畳床」の3種類があります。普段は目に見えないところですので、畳屋さんにそれぞれの特性などを聞いて、使う用途や住まいの条件に合った素材を選ぶことが大切です。

ポイント3:イ草の状態はどうか。細く長いイ草で編み上がりが均一で密度のある畳表になっているか。
・畳は、床の良し悪しと、イ草の良し悪しが最も大切なポイントです。特に、畳表の良し悪しは、歩く感触や部屋の風合いを左右します。

ポイント4:防虫、防カビ処理はどうか。人体に有害な化学物質などを使用していないか。
・畳床や畳を作る過程で防虫処理を行いますが、防虫紙や防虫糸その他の使用状況を確認しておくことをおすすめします。

ポイント5:適正な価格の確認と、畳替えなどに要する費用も考慮に。
・畳は、種類やサイズによって価格が違います。畳を使用する住宅(木造、コンクリート造など)や敷き込む部屋の位置なども考慮して選ぶことをおすすめします。また、畳替えの際は、家財の移動費用なども確かめておくとよいでしょう。
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ミニ畳知識4:畳を快適に末永くお使いいただくために
真夏には涼しさを、厳寒の冬には高い保温力で住む人に温かさを。畳には他の床材では味わうことの出来ない感触があります。日頃からのお手入れなどをご紹介します。

(1)畳は湿気が禁物です。畳を長持ちさせるためにもカビの発生やダニの寄生を防ぐためにも、年2回程度の畳干をしたいものです。春と秋のよく晴れた日、畳を干す場所のない場合は、畳を上げてビール瓶やジュース缶などを置き、風を通すだけでも効果があります。
(2)長期間の使用によって畳も日焼けを起こします。天然のイ草で織られているので退色は避けられませんが、お湯で固く絞ったぞうきんがけをしてから、酢を1%程度混ぜたぬるま湯で拭いて下さい。
(3)こまめなお掃除によって、ダニの寄生を抑えることができます。この時、掃除機は畳の目に沿って軽く触れる感じで、ゆっくりと同一部分を何度か往復してかけて下さい。
(4)畳の上に重量物(タンス、ピアノ、机など)を直に置くと、畳表面にへこみや段差を生じることがあります。必ず、間に敷物を挟んでから置いて下さい。また、出来てしまったへこみは、適度に霧吹きをして濡れタオルを当てアイロンがけをすると、ある程度の回復が得られます。
(5)畳の上をカーペット・じゅうたんなどの敷物で覆うと、ちり・ほこり・食物のかすなどが溜まり、それを餌にするダニの寄生やカビの発生の原因になります。(重ね敷きをしない場合の約7倍にもなります)また、一度畳に吸収された湿気が発散されず部屋自体が湿気を帯び、畳や建物を傷めるだけでなくそこで生活する人にとって極めて不健康な状態になります。
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ミニ畳知識5:品質管理事業
品質管理事業は、島根県畳事業協同組合の基本事業です。私達は仕事を通じて社会に貢献し、その代償を頂くことによって成り立っています。
品質管理の徹底をはかり、責任表示をすることで、お客様の信頼を得て、適正な価格を頂いて粗悪品を追放しようとするものです。
組合では、独自に作成した証紙を畳床の裏に貼付するように会員に呼びかけています。証紙は、畳床用が2種類(稲わら畳床及び稲わらサンド畳床用、建材畳床用)、畳加工用が1種類です。
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◆畳の優れた特性
畳は天然素材の床材料です。カーペットやフロアー等にくらべ優れた特性をもっています。
◎畳はお部屋の二酸化ちっ素を吸収する効果があります。
◎夏は湿度を吸収し、冬は排出して快適な生活を保っています。
◎畳独特の香りは嗅覚を刺激し、精神を安定させる鎮静作用があります。
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◆畳の上手なお手入れ方法
畳は呼吸をしております。
空気を浄化する力を持っています。正しい使い方をすれば畳の魅力を発揮します。

畳の定期的なリフレッシュ
畳のリフレッシュには「表替え」と「裏返し」「畳替え」の方法があります。

【裏返しとは…】
新畳を入れてから2〜3年目頃畳が日焼けしたり、傷み始めたら畳表を裏返しにして張り替える作業です。
ご注意:畳表の傷み具合が進みますと裏返しができない場合があります。

【表替えとは…】
裏返しをした畳が傷んできたら畳床をそのまま生かし新しい畳表に取り替える作業です。3〜5年目頃が適当と考えます。
裏返しや表替えの場合には畳縁も新しく取り替えます。

【畳替えとは…】
畳床も含めて畳全体を新品に取り替えることです。取り替える目安は適度な弾力性がなくなったり凸凹が激しくなったり大きなすき間ができてきたら、畳替えをして下さい。

畳床は大事に使えば10〜20年もちます。床下の湿気、室内の換気に注意し使用して下さい。

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